ミマモリ(Mimamori)
当事者発の“忘れ”に寄り添う、やさしいスマートホーム
A home that moves first — gentle cues for the very first step
プロジェクト目次
経緯・背景
我々はADHD当事者として、「あれ、何だっけ?」で足が止まる悔しさを何度も味わってきました。 学習の前に照明を点ける、机を整えるといった小さな所作で流れが途切れ、別のことに逸れてしまう——。 そんな日常を変えるために、家が先にそっと動いてくれる仕組みを考えました。
スマホと小さな機器を家に置くだけ。時間と場所に合わせて、 光・表示・やさしい合図で背中を押し、「最初の一歩」を滑らかにします。
ADHD(注意欠如・多動症)は、子どもは約20人に1人、大人は約40人に1人と推定される神経発達症。 主徴は「不注意」「多動性」「衝動性」。個人差が大きく、環境調整や特性に合った支援で生活は大きく改善します。
目的
毎日の「できた!」を増やす家
目指すのは、タスク抜けを減らし、着手を楽にすること。時間×場所で、 照明・通知・チェックリストを自動で準備します。服薬・学習・外出など、 つまずきやすい場面の「最初の一手」を支え、集中が続く毎日と “自分はできる”という自信を取り戻します。
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目標
- タスクの抜け/中断:30%減
- 着手までの時間:30%短縮
活動内容(計画・資金使途)
サブタイトル:朝・学び・外出の3場面を変える
設計と試作
- 必要機能の整理(照明制御・通知・チェックリスト)
- 3Dプリンタでケース試作、ESP32等で基板組み立て
- BLE通信・赤外線操作の制御プログラム開発
家庭内テストと改良
- 生活リズムに沿ったパイロットテスト
- 合図の強さ・タイミング・快適性の検証
- 表示文言・ケース強度・配線安全性の改善
安定化とセット化
- 「置くだけで使える」レベルへ、設置マニュアル整備
- 玄関・机・キッチンの3点セットを複数家庭で検証
- 成果をオープンソース公開(設計データ/回路図/主要コード)
🏁 最終ゴール
ご家庭に「Mimamoriセット」を置くだけで、"忘れが減る"体験がすぐに得られる状態に仕上げます。
目指す成果・波及効果
サブタイトル:忘れが笑顔に変わる家を広げる
直接の成果
- 家庭内の三場面が安定して動作
- 数値での変化の可視化(タスク抜け・着手時間・自己評価)
- 誰でも再現できるDIYキットの公開(3Dデータ/配線図/セットアップ手順/主要コード)
広がりの効果
- 当事者発の解決策として、「暮らしの最初の一歩」を設計する考え方が広がる
- 高齢者や忙しい家族にも役立つ、やさしいスマートホームを提案
- 学校・地域メイカースペースでの体験型学習(STEAM)素材として活用
自身・団体について
メンバー:尾本周作/佐藤夏樹
私たちとんぺー3dpは、東北大学発の3Dプリントコミュニティです。 「ないものは作る」を合言葉に、3Dプリント×電子工作/アートの実践を重ねています。 勉強会やプリンタ運用ノウハウ共有、試作相談会などを継続し、 課題発見→設計→試作→検証→改善を短いサイクルで回して、 生活の「これがあれば助かる」を素早く形にするのが強みです。
本プロジェクトでの担当:
- 機器の外装・設置ケース設計と3Dプリント
- 小型デバイス(表示カード・赤外線送信・センサー)の組み立てと検証
- 迷わず使えるセットアップ手順の整備
- 体験会/ワークショップ運営
- 再現に必要なデータ公開(3Dデータ/配線図/手順書/主要コード)
メンバーは工学・情報・デザインなど多様なバックグラウンドを持ち、 屋内位置推定やBLEビーコン、自作生活支援デバイスの試作経験があります。 「家が先にそっと動く」仕組みを、置くだけで始められる水準まで磨き、 誰もが再現できる形で社会へ広げます。